蓼食う虫 谷崎潤一郎

 

夫婦って何って考えさせられる小説だった。

結局、好きとか燃え上がるような恋って落ち着いていってしまうもので

夫婦って一緒にいて自然ならばいいのではないかと思う。

 

妻も不倫をしたくてしているわけではなく、ただ夫の不満を外に求めただけ

であって本当は夫に愛されたかったんだと思う。

そして、妻の方もずっと少女のように恋をしていられるような関係を

望んでいたのだと思う。

 

そして、複雑にさせているのはみんな素直に自分の気持ちを言えないこと

なんだと思う。

多分、相手がどのように反応するのが怖くて、相手に決めてもらった方が

楽だから自分が出るのがすごく怖いんだと思う。

 

でも、男って結婚すると女の人の見方が変わってしまうよね。

女の人ってその点、結婚しても変わらない気がする

というか、二人ともが求めている理想が絵に描いたような理想を描いているから

っていうのは大いにあると思う。

 

結婚って悲観しているわけでもないけど、よく言えば穏やか、悪く言えば平凡な

ものなのかもしれないね。

人間とは何か

 

実に奥深かった。

まず、自分の中で考えるということは一つもできなくて

外から働きかけたことでしか、考え行動することができない。

そして、誰かのためにやっていると言っても、

結局は自分の利益になるようにしか人は動かないものである。

 

人間も機械と一緒で何か刺激があれば反応するものである。

それは、動物全般同じで人間が高等かといったら

そんなこともなく、機械の種類がそれぞれ違うだけで

作りはみんな一緒である。

 

そして、物欲、名誉、そういったもの全ては

精神からきているもので、何を自分が欲しているかは

千差万別だが、本来のそのものが欲しいのではなく

それを通じて得られる精神的安定が欲しいだけ。

 

そのような真実に触れると、人は少なくとも

今まで信じてきた高尚な信仰や教育はなんだったのかと

裏切られた気持ちになるけど、それを知ったからと言って

不幸と思うか、そう思わないかは自分次第ではある。

 

確かに、この老人の表現の仕方は極端ではあるような

気はするものの真実ではあるとは思う。

 

でも、別に自分自身を満足させるために生きても

いい気がする。

それを通じて、他の人も幸せにできるように

働けばいいわけで、

自分を大切にできない人は他人も大切にすることが

できないというのはそういうことだと思う。

 

逆に言えば、少し楽になったというか

投資などの経済活動をしていて

いったいこれは自分以外の誰の利益になるのだろうと

思っていた。

しかし、他の仕事でも自分の利益の他ないんだと気づいたので

自分のために活動しても良いんだと少し前向きになれた気がする。

 

卍 谷崎潤一郎

 

光子という人は本当に末恐ろしい。

男も女も性別関わらず、取り込んでしまう。

 

それは、彼女自身の容姿が美しいのはもちろんだけど

うまく崇拝させるテクニックを持っている。

 

自分のことを好いてくれている自分が好きといった具合。

それに加えて、周りの人間をぐちゃぐちゃに搔き回すのが

大好き。

 

自分が一番じゃなきゃ嫌なタイプ。

 

観音様みたいに、崇められたいみたいな。

そして、みんな光子にはめられているって

わかっていてみんなはまっていくのが面白いね。

自ら、はまりにいくようなものだからね。

 

彼女を魅力的にさせているのは、

可愛らしくもあり、憎いからなんだろうね。

 

 

 

拝啓本が売れません

 

私も小説を書こう、書こうと思って最後までかけた試しがないけれど

書いてみようかと、

とは言っても本が売れないこの時代に

正統派純文学を書いても当たらないのはわかるけど自分は

書きたい。みたいなジレンマに陥っていたけど

ここは割り切らなければならないのかなとも思っている。

 

さあこれからいろいろ練ろうかな

いつまで続くかわからないけれど

しょうがの味は熱い 綿矢りさ

 

 

相手に依存してしまうのはすごくわかる。

そう、相手が全ての人生になると相手は次第に冷めていってしまう

んだよね。

難しい。

だから、恋に恋している時って一番うまくいかない。

相手にこうしてほしいと願うのと相手のために自分がどこまで

寄り添えるかは自分の中での熾烈な戦いであると思う。

同棲を続けていると結婚のタイミングがつかめなくなっていって

次第に結婚をしたい方は焦りをだんだん募らせてくるよね。

 

でも思うのは先々を不安に思いすぎないこと。

先が見えないから不安になるのはすごくわかるけど

将来ばかりを見つめすぎて、今をおざなりにしてたら意味ないし、

今を大事にすることも大事かなって思う。

それを継続させていったら、確かなものはないけど

それなりには答えは見つかるんじゃないかと。

椎名林檎罪と罰の中に確信できる現在だけ重ねてってあるけど

本当にその通りだなってしみじみ思います。

そうやって今を重ねていくことしか未来は作られていかないからね。

 

 

 

 

かわいそうだね? 綿矢りさ

かわいそう。

私はこの言葉を投げかけられるのが大っ嫌い。

なんか見下されてる感があるから。

実際に人に親切にするとか手助けするって

かわいそうからきていると思う。

そう、この主人公も百貨店でバリバリ働いて

可愛いお洋服をきこなすそれなりにいい女なのだが

なんかいまいち冴えない女に男を取られる悔しさは

図りしれないと思う。

 

一度、かわいそうだからって自分の中で解釈はするものの

やっぱり飲み込めないんだよね。

価値観が違うからとかいろいろ考えてみても

やっぱりおかしいみたいな。

そういうのっていくら自分に言い聞かせても

結局、堂々巡りなんだよな。

 

 

そして、もう一つの亜美ちゃんは美人は

わかる。

私もすんごく美人なわけじゃないけど

自分に興味ない人がいいんだよね。

あと、さかきちゃんも偉いと思う。

ちゃんと、結婚して後先幸せかどうかはしてみないと

わからない。

だから、賛成も出来ないけどあえて反対もしない。

そういう風に客観的に見えているから頭いいだけあって

さすがなと

スクラップ・アンド・ビルド

 

人間って楽に慣れてしまったら終わりなんだなと思った。

何かしらの苦痛というか鍛えなければどんどん衰えていく、

だから、老人に手を差し伸べるのもそれは結局自分のエゴでしかなく

本当にその人を助けたいと思うのであれば、自分でできるように支援する

方が良いのだけれど、その方がよっぽど忍耐のいることだったりする。

 

それって子供を育てるのと一緒だなと思った。

人はだんだん退化していくというけど本当にその通りである。

 

だから、大人だと思うとムカつくけど、

子供だと思って接するとまた違って見えるのかなと思った。

しかし、介護をやっている人しか本当の現場を知ることができない。

だから、普段介護していない人が、安易な手助けをするのは

確かにその人の優しさではあるけど、出口を見出せないその場限りの

ものであるならば、果してそれは本当に正しいかどうかは言えないなと

思った。

 

これはまだいい話というか、まだ程度が軽いものなので

この老人自体も、手助けしてくれている人間がいるから甘えている

部分もあるし、それだから怠惰を助長させているんだなって思う。

では、これが5年、10年先まで続くのであれば話はいろいろと

変わっていくし、それを早いうちから対策をしていかないと

それはだんだんとガンが進行していくように気づいた時には

手遅れと云うことにもなりかねないので、

今後どうするのかという方針は、目先の今どうするのかだけ

ではなく、残りどれくらい生きるかわからないけれど

それまでの間どうするのか、そして本人がどうしたいのかという

ことを明確にしておかなければいけないと思う。

それは、千差万別なのでこれが正解も不正解もないけれど

ただ、生きる目的もなくてただ1日過ごしているだけ

という1日1日を消化していく人生はとっても苦行とも言える。

でも、働くにしても、何か目標を達成するにしても

達成した先には何か爽やかな気持ちにはなれるかもしれないけど

基本的には苦行と云うか、めんどくさい毎日を繰り返して

いくしかないんだろうなとは思う。

と云うか、そういうめんどくさい作業を繰り返していくからこそ

大きな達成が得られていくものだから。

でも、知らず知らずのうちに惰性的な生活になっていってしまうし、

それを継続させるのもとても大変なことだなって。

だから、楽な人生ってどこにもないよね。

 

わかってはいるけど、落胆する気持ちにどうしてもなってしまう。

避けられないところなんだとは思ってはいるけど。

 

と、今後誰もが介護については考えさせられることであるから、

それを通して自分はどう生きるかを考えていかないとなと強く思いました。