寂しい生活 稲垣えみ子
このエッセイは衝撃だった。
この21世紀において、冷蔵庫も洗濯機もテレビも電子レンジも
あらとあらゆる家電がない人ってこの人以外に存在するだろうか。
無から有を作り出すのも大変なことだが、
有から無にすることもかなり勇気のある行動だなと思う。
でも、正論といえば正論で、家事から解放されるために
家電を購入するものの、その家電の購入資金を稼ぐために
さらに労働時間を増やさなければならないという
ジレンマに皆陥っているのである。
その割には、あまり家事が軽減されているとは実感はないし、
この現在でも、どちらが家事を分担するのかという紛争は絶えない。
もちろん、この方の暮らし方は全てお手本にできるとは
言えないが、私も今現にテレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジはないが
意外と暮らせるものだなとは思っている。
さすがに、この猛暑でエアコンなしで過ごすというのは
自殺行為とも言えるので、エアコンばかりは手放せないが
家電を手放すことで得られる自由というのは
あるのかもしれないなと思っている。